ラ・コルーニャは落ち着いた雰囲気の素敵な街だ。
ガリシア語ではア・コルーニャと言い、あの無敵艦隊が出港した港町で、
町の中心部は大西洋に飛び出した突起のような小さな半島にあり、
その先端の丘には、ローマ時代に建てられたというエルクレスの塔と
呼ばれる灯台がある。
今回、エストレージャ・ガリシアを訪問した際に、おすすめのエリアを訊いておいた。
港沿いのマリーナ大通り は 「ガラスの街」と呼ばれ、
白い枠のガラス窓の建物が立ち並ぶ風景はユニークで美しい。
スペインと言えど、この辺りの冬は冷涼で、いかに太陽光を取り込むかが工夫されている。
その大通りから少し入った裏側の細い通りには数多くの飲食店がひしめき合っていて、
店先に並べられたテーブルは多くの客で賑わっている。
この辺りは観光客も多いのだが、観光客向けの店というわけではない。
店先にはこの辺りの名物の茹であげられた大きなたこが並べられていた。
一般的に欧米ではあまりタコが食べられていないと言われているが、
それはアングロサクソンやゲルマンのこと。
旧約聖書の戒律が元になって忌み嫌われているようだが、
キリスト教が伝わる以前からタコを食べていた地域、
ここガリシアや地中海沿岸は食べる地域も多い。
一通り路地を歩き、雰囲気の良さげな1軒のセルベセリアに入ってみた。
エストレージャ・ガリシアの大きなタンクが目に入る。
まずこの辺りで食しておくべきものはプルポ・ア・フェイラ(たこのガリシア風)
そして、ペルセベス(亀の手)、その他にも、アサリのワイン蒸しや
魚介のクロケッタなどをビールと共にオーダーした。
山盛りのグロテスクなものが運ばれてくる。
実は、この時、ペルセベス初体験!
食べ方をよく知らず、ちょっと戸惑っていると、隣のテーブルのおばちゃん2人組が
それを見ていて、店員の女性に、「あなた、食べ方を教えてあげなさい!」
と言ってくれた。
剥き方を教えてもらい、恐る恐る食べてみると、噂どおりとんでもなく美味!
おばちゃんたちにもありがとうと目配せする。
タコもアサリもどれもが素晴らしい。
大変満足しつつ、2軒目へ。
ちょっとしっかりしたものが食べたいので、米料理のありそうなレストランへ入った。
サラダとパエージャをオーダー。
リアス・バイシャスのアルバリーニョを飲みながら、料理を待った。
運ばれてきたのはちょっと汁気の多いタイプのパエージャ。
米にも芯がはっきり残っている。
この店のパエージャは、きっと日本人好みではないと思ったが、僕自身はあまり抵抗がないので、
美味しく頂いた。
スペインでは米をよく食べるが、決して主食ではなく、あくまでパンが主食。
イタリアでのパスタの位置づけと同様に、スペインの人たちは米料理をパンと一緒に食べる。
米は、豆などと同じような存在なのだ。
日本ではパスタやパエリヤは主食扱いされているので、パンが出てくる店は少ないが、
きっと彼らが日本に来ると戸惑うのではないだろうか。
そのせいかもしれないが、パエージャの炊き上がりは店によって様々。
日本人ほど米の炊きあがり具合に執着は無いようだ。
一方で、日本のスペインレストランに行くと、やはり日本人好みの絶妙な炊き上がりに
こだわりを見せる料理人は多い。
塩加減に関しても同様で、こちらで食べると日本人にとっては塩がきつめだ。
それはやはりパンやワインと一緒に食べるという前提があるからかもしれない。
つづく
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