2014年9月3日水曜日

スペインの旅 シェリーの故郷を訪ねて その1

僕が惚れたお酒の一つ「シェリー酒」

シェリー酒とはワインの一種で、発酵後に蒸留酒を加えることで少しアルコール度を増した
酒精強化ワインと言われるお酒。

スペイン、アンダルシア地方の南部、へレス・デ・ラ・フロンテーラ周辺で作られている。






最近ではちょっとはメジャーになりつつあるが、メジャーになり切れないところがまた良い。


お察しのように、シェリーとは英語。

その昔、英国がシェリー酒を輸入し、世に広めたのだが、その時に、英語訛りが定着したようだ。


現地では「ビノ・デ・ヘレス」もしくは「ヘレス」と言うが、注文する時は専らタイプ名で
言うことが多い。


シェリーにはたくさんのタイプがあって、小さい地域で作られている割にバリエーションが豊富。


同じ地域のブドウから造っても、製法や熟成の違いだけで様々な風味を生み出すのだ。


「ワインは生まれが大事。シェリーは育ちが大事」と誰かが言ってたような・・

上手い言い回しに感心した覚えがある。


シェリーのタイプの中にマンサニージャという、どちらかというと淡麗な辛口を産する町、
サンルーカル・デ・バラメダを訪れる機会に恵まれた。

海辺の町だ。


街に入ると、たくさんのマンサニージャブランドの看板が目に入ってくる。


この地域は海風が強く、熟成庫にその海風を通すことで、その特徴的な風味が生まれる。

それゆえ、潮の香りが感じられるのもマンサニージャの特徴と言われている。


まあ、実際には潮の香りがすると言われてもピンとこない物もあるのだが・・


このマンサニージャ、魚介類や生ハムとの相性は抜群!


ご存知のように、魚介というのはお酒との相性が難しい。

特に青魚とワインなどは失敗すると口の中がとんでもないことになってしまう。


大ざっぱに言うと、僕は魚介類に合うベストな食中酒は日本酒だと思っているが、
シェリー酒は日本酒に匹敵する相性を見せてくれる。


一度、ある札幌の美味い鮨屋にマンサニージャ・ラ・ヒターナを持ち込ませて
もらったことがあるが、素晴らしいマリアージュを感じさせてもらったことがあった。

シェリーはビネガーとも相性が良いからだ。



さて、サン・ルーカル・デ・バラメダの街中に車を止め、海の方に歩いていくと、
海岸沿いにバホ・デ・ギアという通りがあり、バルやレストランなどが並んでいて、
結構な人で賑わっている。

この辺りでまず食するべきはエビ!

混んでいるレストランのテラス席、といっても店の前の外の広いスペースにテントを張っただけの
テーブルに着く。



強烈な日差しだが、テントの影はミスト冷房も手伝って、意外と快適だ。


当然のように、冷えたセルベッサ(ビール)とマンサニージャ、茹でたエビを頼み、
素手で貪るように食らいついた!


すかさずマンサニージャを流し込む。

「美味すぎる!!」


もう一つ頼んだのは魚介のアロス カルドソ。

これは、汁気の多いリゾットをイメージすると分かりやすい。

これまた激ウマ!



デザートには、アイスクリームに甘口のシェリー酒ペドロヒメネスをかけた定番を注文。

感心したのは、レーズンを練りこんだ専用のアイスクリームが市販されているということ。

バニラアイスでも十分美味しいのだが、やはり、こちらの方がベストマッチ!


日本で市販されているアイスクリームを使うなら、ハーゲンダッツのラムレーズンが良いようだ。


スペインに来ていつも思うのは、何の飾り気もない、そっけないほどくシンプルな見た目からは
想像を超える旨さを感じる不思議だ。


続く

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